病ンデル童話選1「不思議の国のアリス」

乙女はどんな世界でも無敵なの。

白ウサギに執着するストーカー気質のアリスの独り言。

グロ・サイコ・殺人・厨二病要素満載ですのでご注意。


【形態】朗読劇


【上演時間】約10~15分程度


【登場人物】

・アリス

基本モチーフは「不思議の国のアリス」。

年齢性別はお好きなように設定してください。

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アリス:ある日、ピクニックの途中に出会った1匹の白ウサギ。一目見て、私はあなたを好きになったわ。

(呼びかける様に)

アリス:なんて可愛い白ウサギさん! ねえねえ、白ウサギさん。そんなに急いでどこに行くの?

アリス:ねえねえ、白ウサギさん。私の声を聴いて。

アリス:ねえねえ、白ウサギさん。私を見て。

アリス:ねえねえ、白ウサギさん。

(耐えきれない様に)

アリス:――私を無視しないで!

(一呼吸置く)

アリス:――かくして私は白ウサギを追いかけて、ワンダーランドに迷い込む。

アリス:この世界は全てがデタラメで全てがホントウ。

アリス:小さくなったり、大きくなったり、首も伸びたり。私の体はめちゃくちゃよ。

アリス:でも私はくじけない。

アリス:奇妙で無礼な人達との何でもない日を祝うお茶会も。

アリス:不気味な芋虫が誘うままに怪しいキノコをかじるのも。

アリス:これも全部白ウサギさんと合うための試練。

アリス:あなたを振り向かせるためなら、私、いくらでも耐えられる。

アリス:いくらでも乗り越えてみせるわ。

アリス:そして、やっと追いついた場所はハートの王様と女王様の玉座の前。

アリス:布告役(ふこくやく)の白ウサギさんがラッパを吹いて開廷を告げる。

アリス:被告人はハートのジャック。女王のタルトを盗んだ罪で死刑は開廷と同時に確定しちゃった。

アリス:・・・こんなインチキな裁判、聞いた事ないわ。さあ、行きましょう白ウサギさん。

アリス:こんなバカげた裁判なんて抜け出して、私と楽しく遊びましょう? 第一、ハートのジャックが女王のタルトを盗んだなんて、私にはどうでも良いもの。

(一呼吸置く)

アリス:乱入した私に、怒ったハートの女王が声高らかに宣告する。

アリス:「この者の首をお刎ね!」

アリス:私に一斉に飛び掛かるトランプ兵。でも私は彼らをフラミンゴで薙ぎ払う。

アリス:・・・ふふ。ふふふ・・・ああ、おかしい。チェシャ猫は言ったわ。

アリス:「どこに行きたいかわからないなら、好きな道を行けばいい。どの道を選んだってそこにたどり着けるんだから」って。

アリス:公爵夫人も言ったわ。

アリス:「世界を動かすものは、ほかならぬ愛」だって。

アリス:この世界では私が選ぶものは全て正解。そして私の愛が世界を変えるの。

アリス:だから私は決めた。この世界をハンプティダンプティみたいに粉々に砕いちゃおう。そして私は女王になるのよ。

アリス:――赤い薔薇よりも、血よりも真っ赤な「赤の女王」に。

(一呼吸置く)

アリス:そうすれば、この世界は私の物。そして・・・白ウサギさんも私のモノ。

アリス:だから。白い薔薇を赤く塗るペンキは――あなたの血よ、ハートの女王。

(一呼吸置く)

アリス:フラミンゴは死刑執行人の剣に早変わり。鮮やかにハートの女王様の首をはね、ハートの王様の首を刎ね、ついでに傍聴人の首を次々と刎ねる。

アリス:そして私は真っ赤に染まった玉座の前。緋色の世界の住人は私と、白うさぎさんあなただけ。

アリス:怯える白うさぎさんの可愛らしさに私の頬は思わず緩む。

アリス:ああ、私の可愛い白ウサギさん。やっと私を見てくれた。やっと私の声を聴いてくれた。・・・ふふ、そんなに震えないで。

0:(一呼吸置く)

アリス:そして私は白うさぎさんをぎゅっと抱きしめる。

アリス:ああ、やっと捕まえた。私とずっと一緒にこの世界にいましょう。

アリス:そう、ずっとずっと・・・2人だけ。

アリス:ねえ白うさぎさん。私から逃げ出そうなんて・・・もう思っていないわよね?

アリス:私はチェシャ猫みたいにニイと笑った。

(一呼吸置く)

アリス:また逃げ出したら――あなたの首も刎ねちゃうわよ?

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【終】





スシおけ

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